介護用品の志水商会blog

介護用品屋さんの日々思ったことを書いてみたりします。商品の説明もたまにします。

これからグループホームを建てたいアナタへ

業者目線で語ります。

グループホームを建てるなら

風呂とトイレは予算をかけよう

 

小規模施設だから、

予算がないから

土地がもともと狭いし

 

でも、

風呂とトイレは予算をかけよう

これ、大事。

 

開所してすぐ業者を呼んで、

 

「風呂場に手すりを増やしたいんだけど」

 

そうですね。

わたくしも手すりをつけたいです。商売だし。

 

しかし、すでに浴室には既存の手すりがついてはいますが、

普通のユニットバスが入ってますね

浴室全体が、〇〇〇のユニットですね。

 

壁を叩くとわかりますが、音がスカスカで、

手すりを固定できる柱や場所が、背面にありません。

 

浴槽に取り付けるタイプの手すりはどうでしょう。

 

浴槽の縁の形状が・・

埋まっていますね。

内側が極端に傾斜していて、危険すぎて

手すりを挟みこんで固定できませんね・・・

 

浴室用の床置き式手すりがあるといいよね・・・

 

10年後

入居者が高齢化して、介護度5の人がいます。

座位がとれません。

抱えて浴槽に入っていただいていますが

介護者が限界です。

 

リフトをつけたいです。

 

いいですね。

リフトをつけたいです。わたくしも商売だし。

 

天井と床の間に一本の柱を固定したいです。

床がユニットなので強度が保てません。

 

えっ?メーカーさん取りつけ不能ですか・・

 

では浴槽内で上下するタイプはどうですか?

浴槽の内側に横に突き出た手すりが干渉しますね・・

それから浴槽内の形状がステップになっていて

このリフトを入れたらかなりせまいですね・・

 

 

ではせめて浴槽を変えるのはどうですか?

古い浴槽だけどかして、新しい浴槽を置くだけですよ。

今は積水や酒井からいいのがでてますよ~

 

えっ?

浴室全体がユニットだから、浴槽だけ取り替えることが

できないんですか・・・

 

浴室全体を壊して作り替えたら、撤去処分費も入れて

150万くらいはしますかね~

 

まあ、こんな感じで、こんな例が1件や2件ではないのです。

 

グループホームを建てる際には、介護度の高い方が入所されることを

前提にしていません。どこのホームも気楽に建てています。

 

しかし5~10年経つと、建物の設備の貧弱さと利用者の介護度の高さが

明確になってきます。

介護度の高い方は、介護力の高い特養や老健に移動すべきなのですが

その頃には、諸般の事情により、グループホームから移動してほしくなくなっているのです。

 

これは系列施設をたくさん持っている病院系や社会福祉法人でも

同じ傾向があるように思います。

 

初期投資を抑えることが悪いとは思いません。

かけるべき場所にかけてくれれば、

設計施工を建築業者に丸投げにしなければ(一番危険です)

介護者にとって使いやすい施設、利用者にとって安全な施設は

ちょっとの手間で作れます。

 

とにかく、グループもショートステイも、いずれ介護度の高い方を受け入れられる

設備を初めから準備しておくことは重要だと思います。

 

特に別業種、居酒屋や不動産系から参入する方々は、

貧相な設備を、人海戦術ですべてが補えると勘違いしているのではないかと思う時があります。

 

また、コストダウンの方向性が間違っている場合も多いです。

 

でも、業者の話など「聞かぬ、媚びぬ、顧みぬ」っていうか

基本的に、本社の顔色しか見ていない傾向があるので

 

現場の声にも、業者の声にも、一番重要な利用者の声にも耳を貸さないんだよね。

これは余談です。