低賃金労働者なのか?
これ、怒られるかもしれないんですが、
「老人ホームの職員さんは激務で、給料が安く大変で・・・」
といったプロパガンダをあんまり信じていません。
夜勤もあるし大変な仕事なのは間違いないのですが、
実際は違うと思うのです。
少なくとも、私が営業して歩いている、
社会福祉法人運営の老人ホームは
「そんなにひどくないよなあ」
と思います。
だって、職員さんが楽しく働いているから。
私の知っている範囲ですが、一家で介護士の方が何人かいらっしゃいます。
子は親の背中を見て育つし、
そんなにブラックで薄給な仕事だったら、親が子供に勧めたりしないと思います。
少なくとも介護士という職業に対する
尊敬の念がないと、親と同じ職業は選ばないのではないでしょうか。
昨年、ある大きな社会福祉法人の採用担当の方とお話しする機会があったのですが
感じたのは、「介護」という職業に対するイメージの悪さでした。
そんなに自信を無くすことはないのに・・・
あまりにも人が集まらないので、ブラックだから・・と諦めているような感じも受けました。
そんなに激務で給料低いかな?
と、いうか、老人ホームの処遇レベルの高さと、給料は割と正比例しているかもしれないと思ったりしています。
処遇レベルの高そうなホームは職員に余裕を感じるんですよね。
人は自分自身の身の回りがある程度整わないと、他人にやさしくできないです。
お仕事も同じで、労働環境もお給料も保証も整っていなければ、他人の為に十分には働けないかもしれない。
碌に環境が整っていないのに滅私奉公を要求されても無理ですよ。
自分の暮らしが立ち行かないレベルの給料では、他人のために働けと言われても
自分の暮らしが心配で落ち着かないよね。
元々、介護系は、景気が悪くなると人が集まりやすく、景気が良くなると人が来ない業界ではあるのですが、
この、「激務」「ブラック」という印象ってどこから来ているんでしょうか。
介護保険が始まって、有料老人ホームがたくさん作られるようになってから
余計にイメージが悪化したようにも思えます。
老人ホームを利用する事を考えたとき
老人ホームの質が知りたかったら簡単で、職員募集を見ればいい。
正職員の募集か契約社員か、ある程度の期間を観察していれば、
この施設は契約社員しか採用する気がない、とか見えてきます。
この施設は極力人件費を抑えることを主軸にしていて、昇給がなさそう。
職員の入れ替わりが激しく、処遇に一貫性がなさそう、とか
施設の方向性がおおよそわかるものです。
また給料が極端に低いのも危険です。
職員の士気に影響するので、処遇レベルが低いかもしれない。
若いスタッフしかいないのかもしれない。(ここ重要)
職員の人数が極端に少ないかもしれない。
人間は「ありがとう」を集めていれば、生きていける訳ではないので
職員を大事にしている施設しか生き残れなくなると思います。
あと、移民に介護をしてもらおうなどという動きがありますが
超高齢化社会とか言ってますけど、この日本の高齢化はあと20年で終了する予定です。
その後高齢者は減ってゆくことを考えると、「移民で介護」はあとあと禍根を残すことになるでしょう。
移民を使えば低賃金で済むなどと考えることは、介護士を底辺の低賃金労働者に仕立て上げる試みです。
学生の頃、先生から聴いたアメリカの例ではひどい話ばかりでした。
自分が年を取ったら、どんな人たちに介護を受けたいですか?
私は、じぶんの仕事にプライドのあるプロの介護士の介護を受けたいです。
そして、そんな介護士が育つ世の中であってほしいと思います。